
「年末の大掃除、寒いから水回りは後回しにしたい……」
そう思っているうちに、キッチンや浴室の汚れがカチカチに固まってしまった経験はありませんか?
実は、冬の水回り掃除には「温度」と「洗剤選び」という2つの重要なカギがあります。
これを知らずにゴシゴシ擦っても、時間と体力を消耗するだけです。
この記事では、ハウスクリーニングのプロの視点から、「冬の水回り掃除の注意点」と、効率よく汚れを落とすための「具体的なテクニック」を徹底解説します。
冬の水回り掃除、なぜ汚れが落ちにくい?

冬に水回りの掃除が大変だと感じるのには、科学的な理由があります。まずはその原因を理解しましょう。
原因は「油汚れの凝固」と「洗剤の働き」の低下
結論から言うと、気温と水温の低下により、油汚れが硬化し、洗剤の洗浄力が発揮されにくくなるためです。
油汚れの性質:牛脂やラードなどの動物性油脂は、40℃を下回ると白く固まり始めます。
冬場のキッチン排水口や換気扇についた油汚れが岩のように硬いのは、室温が低いためです。
洗剤の酵素パワー:多くの洗剤に含まれる界面活性剤や酵素は、一般的に40℃前後で最も活発に働きます。
冷たい水を使用すると、洗剤本来のパフォーマンスが発揮できず、洗浄力が半減してしまいます。
つまり、冬の掃除を成功させるには「お湯(40℃~50℃)」を活用することが絶対条件となります。
冬の水回り掃除における3つの重大な注意点

冬場の掃除は、汚れの問題だけでなく、健康面や設備面でも特別な注意が必要です。
以下の3点は必ず押さえておきましょう。
1.ヒートショック現象への対策
寒い脱衣所や浴室で長時間作業をすることは、ヒートショック(急激な温度変化による血圧変動)のリスクを高めます。
特に高齢者がいるご家庭では、掃除前に浴室暖房を入れるか、脱衣所にヒーターを置くなどして、居室との温度差をなくしてから作業を開始してください。
2.手荒れ・あかぎれの防止
冬はただでさえ乾燥している上、お湯と強力な洗剤を使用することで、皮脂が奪われやすくなります。
厚手のゴム手袋を着用する(薄手の手袋の下に綿手袋をするとさらに良い)。
作業後は必ず保湿クリームを塗る。
これらを徹底し、皮膚トラブルを防ぎましょう。
3.水道管の凍結と破損
寒冷地では、換気のために窓を開け放して掃除をしていると、水道管が凍結してしまう恐れがあります。
また、凍結している蛇口を無理に回すとパッキンが破損する原因になります。
氷点下になる地域では、掃除中の換気は短時間にとどめるか、少しずつ水を出しながら作業するなどの工夫が必要です。
参考(外部リンク)
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【場所別】冬の水回り掃除をラクにする実践テクニック

ここからは、キッチン、浴室、洗面所・トイレの場所別に、冬特有の汚れを落とすプロの技を紹介します。
キッチン:固まった油汚れは「温め」て攻略
キッチンの換気扇やコンロ周りは、冬の大掃除の最難関です。
基本戦略: つけ置き洗い(オキシ漬けなど)
適正温度: 45℃~50℃
おすすめ洗剤: アルカリ性洗剤(セスキ炭酸ソーダ、重曹など)
【実践手順】
部品を外す: 五徳やシロッコファンなど、外せるパーツは全て外します。
お湯を溜める: シンクにゴミ袋を二重に敷き、45℃~50℃のお湯を溜めます。
洗剤を投入: アルカリ性洗剤を規定量溶かします。
つけ置き: パーツを入れ、30分~1時間放置します。温度が下がらないよう、ゴミ袋の口を縛ったり、フタをすると効果的です。
擦り洗い: 汚れが緩んでいるので、古い歯ブラシなどで軽く擦ればスルッと落ちます。
プロのワンポイント:油汚れは酸性です。反対の性質を持つ「アルカリ性」の洗剤を使うことで中和され、汚れが分解されます。
冬場は特に「お湯+アルカリ性」の方程式を意識してください。
浴室:カビと皮脂汚れのダブルパンチ
冬の浴室は、外気との温度差で結露が発生しやすく、カビの温床になりがちです。
また、寒くてシャワーの温度を上げるため、石鹸カスや皮脂汚れも頑固になります。
基本戦略: 酸性と塩素系の使い分け
注意点: 絶対に酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜないこと(有毒ガスが発生します)。
【汚れ別対策】
白いカリカリ汚れ(水垢): クエン酸(酸性)が有効です。
キッチンペーパーにクエン酸水を染み込ませ、汚れ部分にパックして30分放置します。
ピンクのぬめり・黒カビ: 塩素系カビ取り剤を使用します。
冬場はカビの根も深く入り込んでいるため、スプレー後にラップでパックをし、浸透時間を長め(15分~30分)にとるのがコツです。
トイレ・洗面所:ウイルス対策も兼ねて
冬はノロウイルスやインフルエンザが流行する季節です。
トイレや洗面所は家族全員が触れる場所なので、除菌を意識した掃除が必要です。
重点箇所: 水栓レバー、ドアノブ、ペーパーホルダー
推奨アイテム: アルコール除菌スプレー、次亜塩素酸ナトリウム希釈液(薄めた家庭用漂白剤)
トイレの便器内の黒ずみ(サボったリング)も、水温が低いと洗剤が効きにくいため、寝る前に洗剤を回しかけて一晩放置する方法がおすすめです。
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水回り別ハウスクリーニングの料金相場!依頼先選定時のチェックポイントも記載しています!
プロに依頼するべき?自分やるべき?判断基準と相場

「頑張れば自分でできるけれど、プロに頼んだ方がいいのかな?」と迷う方も多いでしょう。
以下の表を参考に、状況に合わせて判断してください。
冬にプロに頼むメリット
冬場にハウスクリーニング業者へ依頼する最大のメリットは、「大掃除のストレスからの解放」と「感染症対策」です。
プロは業務用の高圧洗浄機や専用洗剤を使用するため、家庭では落としきれないカビやウイルスも除去できます。
特にエアコンやレンジフードの内部洗浄は、専門知識がないと故障のリスクがあるため、プロへの依頼を推奨します。
参考(外部リンク)
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よくある質問(FAQ)

冬の水回り掃除に関する疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 掃除に使うお湯の温度は何度がベストですか?
A. 45℃~50℃が最適です。
これより低いと油汚れが溶けにくく、高すぎると(60℃以上)排水管やプラスチック素材を傷める可能性があります。
火傷にも注意が必要です。
Q. 寒い地域の掃除で、水道管を凍らせないコツは?
A. 掃除中も暖房を使用し、水を完全に止めないことです。
極寒時は、掃除中に窓を開けっ放しにすると室内配管が凍結することがあります。
換気は短時間で行い、作業終了後は水抜きを行うか、少量の水を出し続けるなどの対策をとってください。
Q. ハウスクリーニングを安く頼める時期はありますか?
A. 1月~2月、または4月~5月が狙い目です。
12月は「大掃除」の需要が集中するため繁忙期となり、予約が取りにくく料金も高設定の場合があります。
年明けの1月~2月は閑散期に入るため、キャンペーンなどで安く利用できる可能性が高いです。
Q. 手荒れがひどいのですが、おすすめの洗剤はありますか?
A. 「中性洗剤」または「セスキ炭酸ソーダ」が比較的マイルドです。
強力な油汚れ用洗剤(アルカリ性)やカビ取り剤(塩素系)は肌への負担が大きいです。
手肌への優しさを優先する場合は、重曹やセスキ炭酸ソーダなどのナチュラル洗剤を使用し、必ずゴム手袋を着用してください。
まとめ:冬の水回り掃除は「温度管理」で劇的に変わる

冬の水回り掃除を成功させるポイントを振り返ります。
温度を味方につける: 油汚れには45℃~50℃のお湯を使う。
適切な洗剤を選ぶ: 油にはアルカリ性、水垢には酸性、カビには塩素系。
健康と安全を守る: ヒートショック対策、手荒れ防止、換気の工夫を行う。
「汚れが落ちない」と力任せに擦るのは、素材を傷つける原因になります。
正しい知識と準備があれば、冬の掃除もスムーズに進めることが可能です。
もし、「汚れがひどすぎて自分では手に負えない」「寒くてどうしてもやる気が出ない」という場合は、無理をせずプロのハウスクリーニングを利用するのも賢い選択です。
ピカピカの水回りで、気持ちよく新年を迎えましょう。
ご自身では落としきれない汚れや、冬場の清掃が負担な場合は、専門業者にお任せください。

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